当院は、うつ病・不安神経症・統合失調症・自律神経失調症・適応障害・強迫性障害・パニック障害・社交不安障害・躁うつ病(双極症)などを診療し、患者様が心のストレスが軽減され、心身の健康を回復していただけるクリニックを目指しています。

うつ病の症状と回復のポイント

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うつ病の症状と回復のポイント

うつ病の症状と回復のポイント医療法人 健心会 理事長 五十嵐 視紀夫
[1.うつ病の症状]

ストレスの多い現代社会はうつ病になる人が増えています。うつ病と聞くと多くの人は、気分がひどく落ち込んでしまい何もできない状態と考えるようです。しかし、うつ病の症状は実に多彩であり、心身に様々な症状を現します。

最初に現れやすい症状の一つは睡眠障害です。寝つけても夜中や早朝に何度も目が覚める、夢をよく見てぐっすり寝られない等です。心の面では、抑うつ 気分、意欲の低下、マイナス思考、イライラし易い等が、身体の面では疲れ易い、食欲の低下、頭痛、腰痛等が、自律神経の面では、めまい、吐き気、動悸、息 苦しさ等があります。

うつ病のこれらの症状は午前中に強く、夕方になると楽になることが多いのが特徴です。朝、起きにくく、陰気な感じが朝の10時頃まで続き、午後にな ると少しずつ楽になる。中には夜になってようやく元気が出てくる人もいます。このため、身近にいる家族等は、本人が病気であることを理解できず、気のせい とか、気の持ちようでどうにでもなる、と考えてしまう傾向があります。

しかし、これらの症状のいくつかが1週間以上も続く場合はうつ病であることが多く、早めに診察を受けたほうが良いでしょう。心療内科、精神科が専門になります。

[2.うつ病の人への接し方]
うつ病の回復には、周囲の方々の接し方が大切になります。うつ病の人を励ますのは最も避けなければいけません。「気のせいだ」「病気に負けるな」 「頑張って早く治せよ」等の言葉はうつ病の人の心を軽くするどころか、とてもつらい気持ちにさせてしまいます。この辺の対応の仕方は普通の病気と大きく違 うところです。なぜでしょうか?

うつ病の多くは、ストレスが持続的にかかった結果です。ストレスは、睡眠不足が続いた、心配事が重なった、過労が続いた、その他、様々なことがあり ます。つまり、心身が疲れきっているのです。そして、上記のような心身の様々な症状が出ているのです。車に例えれば、長く走り過ぎてエンジンがオーバー ヒートしてしまい、煙を出しているようなものです。そのような車はエンジンが冷えるまで休ませてあげることが重要であるように、うつ病の人にとって大事な ことは、まず十分な休養をとることです。

うつになる人の特徴は几帳面、責任感が強い、社交的で人に頼まれるといやと言えない、等です。どうでしょう、社会人として優等生とも言える性格の持 ち主ではないですか?このために、無理をし続けた結果、心身にブレーキがかかっているのです。ですから、周囲の人は、「ゆっくりお休み」「十分がんばって きたんだから、ゆっくり休むときだよ」等の温かい言葉をかけてあげることです。そういう温かい周囲の理解とゆったりとした時間がうつ病を癒やしてくれるの です。

[3.うつ病から回復させるために]

うつ病から回復するには時間が必要です。人により様々ですが、短い人でも3か月位、長い人では何年もかかる場合もあります。うつ病の回復のためには次の5点が重要です。

  • ・周囲の理解
  • ・十分な睡眠・休養
  • ・服薬
  • ・軽い運動
  • ・ストレスのコントロール
1)周囲の理解
周囲から「しっかりしなさい」「気の持ちようだ」「病気に負けるな」等の励ましは禁物です。何事も無理をしないように周囲の人があたたかく見守ってあげることが大切になります。
2)十分な睡眠・休養
うつ病の多くは長期間にわたり、不眠、過労、心配事等のストレスが続いたことが原因で発症します。疲れた心には、7時間以上の睡眠と休養がとても大切になります。具体的には主婦であれば、夫や父母等が家事や子供の世話をしてあげることです。
過労でうつになったお父さんであれば残業をせずに定時で帰ること、当分の間休職することが必要になることもあります。休職の期間は1か月、3か月、6か月以上と、人により様々です。
3)服薬
薬を服用せずに自然治癒力にまかせて治ることも考えられますが、多くの場合は服薬した方が早く回復します。服薬により一旦症状が消えても、まだ油 断はできません。症状は海に浮かぶ氷山の一角に過ぎないと考えると分かり易いでしょう。何年もかかってストレスを溜め込み、うつ病の症状が出た場合には、 症状が消えても溜め込んだストレスの70%程度がまだ残っていることが少なくありません。症状が改善しても、医師が服薬の停止を指示するまでは薬を飲み続 けてください。 回復はゆっくりと進みますので、あせらずにのんびりと構えてじっくりと治していくことが大切になります。
4) 軽い運動
十分な休養がとれてある程度は回復された方には、軽い運動が効果的です。便利な社会になって運動不足の人が少なくありません。気持ちのよい運動を することは、心を楽にします。そして、心身のバランスがとれると睡眠が深く、長くなります。具体的には、歩くことやヨガ、気功などがよいでしょう。歩くこ とは手軽にできます。ほとんど歩いていない人なら、1日10分でもかまいません。できたら1日30分から60分ほど歩くとよいでしょう。私が診療をしてい て気づくことは、1日30分以上を歩いている患者様は早く回復される傾向があります。
5) ストレスのコントロール
うつ病はストレスが蓄積されて起こります。うつ病を回復させるため、さらには再発を防止するためには、ストレスをコントロールすることが大切です。
ストレスをコントロールするにはさまざまな方法があります。出来事に対して柔軟な受け取り方をすること、呼吸を安定させること、リラクゼーションの方法を 学んで体をリラックスさせることなどです。自分に合うストレスのコントロール方法を身につけることが大切です。そして、心をできるだけ軽やかにできるとい いですね。
健心会のデイケア「リサーフ」では、うつ病の回復期にストレスのコントロール方法を学んでいただきます。自分で自分をケアすることができれば、今後の人生に必ず役に立つことでしょう。
[4.うつ病が教えてくれる大切なこと]
今までの生活のどこかに無理があったので、ブレーキがかかっているのです。「無理をしないでください」「あなたは十分がんばったから、今は休んでよ いのですよ」と心身があなたに訴えているのです。ですから、まず自分自身を大切にしてください。無理をして不調をきたした心身の症状は、「私を大切にして ください」と体が黄色信号を発しているのです。そのサインを否定的に受けとめるのではなく、どうぞプラスに受けとめてください。

そして、自らを癒していくとき、うつ症状は、実は心身が発する自分への愛であったことに気づくでしょう。どうか自分自身を大切にしてください。

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